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公務員の病気休暇と休職の違い|手当・期間・手続きを休職中の私が整理

引き出しの中に片づけられた制度の冊子

「このツラい状態のまま、働き続けるのは難しいかもしれない」

そう思い始めて「休職」の二文字が脳裏をよぎった時に、思い浮かぶのが「制度」と「お金」に関する心配だと思います。

休んだら給料はどうなるのか。どのくらいの期間、休めるのか。そもそも病気休暇と休職は、何がどう違うのか。

先に大枠だけお伝えすると、病気休暇は最大90日で給料は満額。そのあと休職に移り、多くの自治体で通算3年まで。給料は8割程度になり、やがて無給になりますが所定の期間は傷病手当金が支給されます。

私の職場では毎年、休暇や休職の制度をまとめた冊子が配られていました。でも私は配られた冊子をそのまま引き出しにしまい込む。そして、開くのは少し特殊な休暇を申請するときくらいでした。

休職を検討し始めたときに関係する部分を読もうと思っても、頭はパニック状態でメンタルも落ち込んでいてまともに読めませんでした。

この記事では、病気休暇から休職までの制度や給与の流れを整理していきます。

お金はいつ、どれだけ変わるのか。期間や手続き、身分はどう変わるのか。うつ病で実際に病気休暇から休職に移行した私が調べたこと、経験したことを書いていきます。

制度は人事院規則や地方公務員法で確認しました。

ただ、細かいところは自治体によって違います。呼び名からして違うこともあります。この記事の内容を読んで、今ツラいと感じながら働いている読者の方が、休職について理解を深めるキッカケになれば幸いです。

自治体によっては「療養休暇」など名称が異なる場合があります。

目次

結論:病気休暇と休職の違いのまとめ

「休職」と一括りで言われることも多いですが、実際は「病気休暇」期間を経て、「休職」へと移行します。

私も休職に入るまで区別ができていませんでしたが、大きな流れとしては次のように進んでいきます。

まず病気休暇が最大90日。このあいだ、給料は満額です。

そのあと休職に移ります。休職できる期間は、多くの自治体で通算3年まで。ただし給料の出方は途中で変わります。はじめの一定期間は8割程度が支給され、それが終わると無給になります。

この「8割が何年続くか」が自治体によって1年〜2年と幅があります。8割の期間が長い自治体ほど、そのぶん無給の期間は短くなるということです。合計で3年という上限は変わりません。

そして無給になったあとは、共済組合から傷病手当金(給料のおよそ3分の2)が支給されます。ただしこちらは休職の3年間ずっと出るわけではなく、最長1年6か月です。休職できる期間と、傷病手当金が出る期間は別ものだと思っておいてください。

表にまとめると、以下のとおりです。

病気休暇休職
位置づけ休暇のひとつ分限処分のひとつ
期間最大90日多くの自治体で最長3年
給料満額はじめの一定期間は8割程度→その後、無給
無給になった後傷病手当金(およそ3分の2)を最長1年6か月
手続き診断書診断書+職場で指定のある書類
身分在籍したまま在籍したまま(職を保有する)

「分限処分」という言葉が出てきました。

処分と聞くと強く感じますが、懲戒処分とは別物です。本人に落ち度があるから受けるものではなく、病気などで職務を続けられないときに、身分を保ったまま職務を離れてもらうための仕組みです。

期間や割合は、国家公務員は人事院規則、地方公務員は各自治体の条例で決まります。

数字には自治体差があるので、ご自身の職場で確認することをおすすめします。

病気休暇:最大90日、給料は満額支給

休みに入るとき、最初に取得することになるのが病気休暇です。

この時に必要となる書類は、診断書一枚だけでした。

かかりつけのメンタルクリニックの主治医に書いてもらった診断書を職場に提出する。自分で行った手続きとしては、それだけでした。その後は勤怠管理の権限を持っている上司がシステム上で手続きをしてくれて、そのまま病気休暇に入りました。

通常の有給休暇を取得するのに、一手間加えたくらいの手続きのように感じました。それまで「仕事を休む」というと、職場に実務上の迷惑をかけるのはもちろんですが、それなりに膨大な手続きが必要になると思っていたので、かなり意外でした。

ただ、私の場合は一枚の診断書を職場に出すまでに、心の整理がなかなかできずにかなり時間を要しました。

出せずにいた一週間のことは別の記事に書いています。そこに至るまでの経過も時系列でまとめました。ご興味ある方は読んでいただけると幸いです。

病気休暇の期間は最大90日。

このあいだ、給料は満額支給されます。この取り扱いにも大変驚きました。だって、仕事を休んでいるにも関わらず給料が満額支給される期間があるなんて思っていませんでしたから。

公務員の福利厚生が手厚いと言われる理由を、身をもって知りました。

なお、「90日間」のカウントには、土日や祝日も日数に含まれるので注意が必要です。

病気休暇の間に挟まれた土日祝の休みの日は「療養が必要な状態が続いている」とみなされて、日数にカウントされるからです。

実際に休んだ勤務日が60日ほどでも、病気休暇の期間のカウント上は90日に届いていることがあります。「90日」を勤務日で数えてしまっていると、思っていたより早く期限が来ます。

90日が近づいてくると、休職に移行するかどうかを決めることになる

病気休暇に入るとき、服務担当の方から「休みに入ってから90日が一つの節目になる」と説明を受けました。

これは病気休暇期間が終わり、休職に移行する時期となります。病気休暇期間中に復職するのか、それとも休職に移行するのかで大きく変わってきます。

私も病気休暇に入って最初の1か月くらいは、そのことは考えないようにしていました。ただ、休んでいて少しずつ心身が回復して落ち着いてくると、脳裏に節目のことがチラつくようになってきました。

職場の担当者が、病気休暇の期間と手続きの日程を整理して知らせてくれていました。それを見るたびに、期限が近づいてくるのがわかります。月に1回の面談でも、2回目には「休職に入るなら、手続きが必要なのでそろそろ判断をしてほしい」と言われました。

「復職すべきなのか」「休職に移行するのか」を悶々と考える日々が続き、精神的に落ち着かない時期でした。

周りで休んだ職員が3か月くらいで戻ってきていた理由

休むより以前の話ですが、自分の職場では、心身のバランスを崩して休んだ人が3か月くらいで戻ってくる光景をよく見ていました。でも、当時はなぜなのかはあまり考えたことがありませんでした。

しかし当事者になって休職関係の制度を知って、ようやくつながりました。

3か月で復帰していた人は、病気休暇期間である90日以内で復帰していたということでした。

その期間のうちに復帰すれば、休職に移らずに済みます。

職場の服務担当の方も「自分の過去の経験上、3か月で戻る人は結構多い」と話していました。(同時に、3か月で戻ることを推奨しているわけではないと気遣ってもくれました)

職員としての経歴に残るかどうか

病気休暇は休暇のひとつですが、休職は分限処分です。

休職に入ると職員経歴としての記録に残る、と聞いたことがあります。病気休暇のうちに復帰する場合、職員経歴には記録としては残らないそうです。

この部分については自治体の取り扱いにもよると思うので、気になる方はご自身の職場で必ずご確認ください。

私自身は、職員経歴に残るかどうかは判断材料にはなりませんでした。「ツラい日々から抜け出したい」「一旦心身の回復を優先したい」の思いが強かったからです。

職員経歴に残って、その後の昇格などに影響があることも実際にあるのかもしれません。価値観は人それぞれなので、正解はありませんが、私は無理しすぎて自分自身が壊れてしまったら元も子もないと思っています。

病気休暇期間中に「復職する」という選択肢も考えた

正直に言って、私は病気休暇中「戻りたい」という気持ちにはなれませんでした。

ただ、職場に迷惑をかけてしまっているという自責の念にずっと駆られていたので「多少無理してでも戻ったほうがいいのかな」と思うことは多かったです。(休職に入った今も同じ気持ちは消えませんが)

気分が落ち込む日はまだ続いていましたし、日常生活が普通にできるようになり始めた矢先に職場復帰してもまたすぐにバランスを崩しそうな気がしていました。

職場の定期的な面談のときに、この思いを上司の方々に打ち明けたところ「今は職場のことは気にせず、自分自身を労って回復することに専念して」と言ってくださったので、この機会にしっかり心身を休めることにしました。

決めたら、少し楽になった

休職に移ると決めるまでは、「どうすべきなんだろう…」と悶々と考えていました。

でも、面談を経て休職に入ることを決めて必要な書類を整え始めたら、悶々とした気持ちが晴れてなんだかホッとしました。3か月という区切りが、自分にとってはプレッシャーになっていたんだと思います。決めたことで、そこから解放された感じでした。

休職に入るからにはしっかり心身を休めながら、自分の生き方を見つめ直したいという気持ちになりました。

休職:期間もお金も、ここから変わる

休職しても、職員の身分はなくなりません

休職に移っても、公務員としての身分はなくなりません。

国家公務員の場合、人事院規則には休職中の職員が「職を保有する」と定められています。

地方公務員も、地方公務員法にもとづく分限休職は「職を保有させたまま職務に従事させない」処分です。

給料が出なくなっても、籍がなくなるわけではありません。

私も休職に入る前は、このあたりの取り扱いがよくわかっていませんでした。

お金は、こう変わります

休職期間に入ると、給料の取り扱いが変わり満額ではなくなります。

ただし、いきなりゼロになるわけではありません。はじめの一定期間は給料の8割程度が支給されます。

この「8割の期間」があるのが、公務員の休職の特徴です。

民間企業の場合、休職中は無給で、健康保険から傷病手当金(およそ3分の2)が出るのが基本形です。ネットで「休職 給料」と調べると民間向けの説明に当たることも多いので、そこだけ読んで不安になる必要はありません。

問題は、この8割の期間がどのくらい続くかです。ここは自治体によってかなり違います。

国家公務員は、法律で1年と決まっています。地方公務員は条例次第で、1年のところもあれば、1年6か月や2年のところもありますので、地方公務員の方は条例を調べてみてください。

その一定期間が終わると無給になり、代わりに共済組合から傷病手当金が支給されます。金額は標準報酬の日額のおよそ3分の2で、最長1年6か月(付加金がつく場合はさらに6か月)です。

傷病手当金は、申請しないまま2年たつと時効で受け取れなくなります。

私の場合も、有給で支給される期間があったので、そこは正直助かりました。

ボーナスの取り扱いや休んでいても引かれ続けるお金の話は、別の記事にまとめる予定です。

手続きは、病気休暇のときと比べて少し増えます

病気休暇は診断書だけで始まりましたが、休職に移るときは職場に提出する書類が増えました。

とはいえ、自分で全部調べて揃えたわけではありません。何が必要かは、職場の服務担当の方が教えてくれました。私の場合は、かかりつけ医の診断書に加えて、職場指定の医療機関の診断書、そして自分自身で署名した休職申請書類を提出しました。そして、私が提出した書類を元に、服務担当の方が手続きをしてくれました。

必要な書類は自治体によって異なりますので、必ずご自身の職場で確認してください。

職場との距離感は、休職に入ってからも変わりませんでした

休職に入っても職場との距離は、病気休暇期間中と変わりませんでした。

病気休暇期間と同様、月に1回くらいのペースで面談があり、生活状況や通院状況についてヒアリングがありました。

職場が聞き取った内容は、療養状況の報告として人事担当にまとめて提出されているようです。

職場復帰したあと、また休んでしまったら

職場に復帰したものの、またバランスを崩してしまったらどうしよう…そんな不安も付きまといますよね。

病気休暇、休職ともにそれぞれ休んだ期間を通算するルールがあります。

病気休暇中に復帰した場合は、次に休むまでの間にどれだけの日数勤務したかで変わります。

復帰してから、つまり前の病気休暇が終わったあと、実際に勤務した日数が20日に達しないうちにまた休むと、前後がひとつながりの病気休暇の期間として扱われます。逆に、20日を超えて勤務してから休んだときは、通算されず新たに病気休暇の数え直しになります。

休職のほうは別のルールです。復職してから一定の期間内(6か月以内とされることが多いようです)に同じ病気で再発した場合、前の休職と通算されます。3年の枠を新しく使えるわけではありません。

自治体によって細かい部分で違いがある可能性があるので、必ずご確認ください。

休職期間を3年使い切ったら

休職の期間には上限があります。多くの自治体で3年、国家公務員も3年です。

その期間を過ぎても復職できない場合は、退職の扱いになることがあります。

ただ、期限が来た瞬間に自動的にそうなるわけではありません。

前述したとおり、病気休暇や休職期間中には定期的な面談があります。また、復職に向けた準備として、短時間だけ勤務する慣らし出勤にあたる制度が用意されていることもあります。

いずれ職場に戻ることを考えているものの、いきなりフルタイム勤務はハードルが高い。そう感じる場合は、こうした制度を活用できないか、職場や主治医と相談しながら決めていくことになります。

国家公務員と地方公務員で違うところ

「多くの場合」という言い方がここまで続いたのは、根拠になるルールが国と自治体で別だからです。

国家公務員地方公務員
根拠人事院規則など国のルール各自治体の条例・規則
病気休暇90日90日が多数派(条例による)
休職の上限3年多くの自治体で3年(条例による)
8割が出る期間1年(給与法で規定)1年〜2年と自治体によって幅がある
傷病手当金共済組合から(標準報酬の日額の3分の2)同じ

いちばん差が出るのが「8割が何年続くか」です。

国家公務員の場合は、給与法で1年と決まっています。法律や人事院規則を読めば、自分に適用されるルールをそのまま確認できます。

地方公務員の場合は、各自治体の条例で決まります。国と同じ1年のところもあれば、1年6か月や2年と、国より長い自治体もあります。ネット上の解説は国のルールをもとに書かれていることが多いので、自分の職場の条例と食い違うことがあります。

休職の制度を理解できていなくても、手続きは進む

ルールが書かれた冊子は、毎年配られていました。

私はそれをほとんど読まずに引き出しの決まった位置にしまっていて、中身をちゃんと読んだことはほとんどありませんでした。

休職を具体的に考え始めてから読もうと思いましたが、その時には精神的にかなり疲れていて、文字は追えるのに内容が入ってこない。目を通し終えても、何が書いてあったのか説明できない。そんな状況でした。

それでも、職場の方々がいろいろ教えてくれて助けてくれました。

職場の上司や服務担当の方が、必要な書類も手当のことも説明してくれたからです。

制度がちゃんとわかったのは、休職に入って体調が戻ってきてからです。家でゆっくり冊子を読み直して、やっと全体の形が見えました。

まとめ:休職に関する制度を少しだけでも知っていると気持ちが楽になる

休職する前までは、職場に伝えて、手続きして、その後の生活は収入が減るから苦しい…というように大きなハードルがあるように感じていました。

でも実際には手続きも思っていたより煩雑なものではなく、疲弊した精神状態でも対応できるものでした。

いちばん驚いたのは、病気休暇のあいだの給料が満額だったことです。休職すると収入が一気に減ると思い込んでいたので、福利厚生が手厚いことを知れただけで、気持ちもずいぶん軽くなりました。

休職に関係する制度を知らなかったとしても、服務担当の方がいると思いますし、細かい部分の制度は休みに入って回復してからでも読み直せます。わからない部分はその都度、職場に確認すれば大丈夫です。

もしこの記事を読んでいるあなたが今まだ少し気持ちに余裕があるなら、休職に関する制度が書かれたものに少しだけでも目を通しておくと、いざというときの不安が減ると思います。

なお、この記事を書くにあたっては関係する法律や条例を調べましたが、期間や割合については自治体による差が結構ありました。ご自身の職場のケースを確かめたいときは、共済組合、人事担当、それから職場の服務担当の方に確認していただくのが確実です。

休職全体の地図になる記事も準備中です。

出典

この記事で参照した制度の根拠です。ご自身の職場の条例と見比べるときに使ってください。

※リンク先は2026年8月時点のものです。制度は改正されることがあるので、最新の内容はご自身の職場や共済組合でご確認ください。

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